2019.05.02
抜歯の必要性と根管治療について
この記事の目次
抜歯を勧められた方へ
抜歯をする理由を聞きましょう
歯科医師から「歯を抜きましょう」と勧められてショックを受ける方は多いと思います。
でも落ち着いてください、歯を抜くことを勧められたからといって、歯の保存が不可能とは限らないのです。
落ち着いて抜歯する理由を聞きましょう。また、抜歯しない場合はどのような方法があるのかを相談しましょう。
また、保険診療の範囲内に固執せず、自費診療の方法も聞くと可能性が広がります。
歯を抜く最大のデメリットは、一度歯を抜いてしまうと、後戻りできないことです。抜歯をためらう方は、よく歯科医師と相談してください。
技術革新により、歯を保存できるケースが増えました
例えば、歯根に穴が開いたり、歯根の先端が溶けたりしてしまった場合、従来のセメントでは治すことが出来ず、抜歯を余儀なくされてきました。
しかし、今では米国で開発されたバイオセラミクセメント(MTA)というセメントでそのヒビを封鎖すると、生体との親和性が失われた骨を再生させて、抜歯を回避できます。
このように、技術の進歩と共に、歯を保存できるケースが増えています。
精密根管治療により、抜歯を回避できたケース
当院で実際に抜歯を回避した例
「虫歯が進行して、歯がほとんど残っていないので、抜歯しましょう。」
虫歯の治療を数回繰り返したため、歯が肉眼で見える部分がほとんど残っていないから、抜歯を勧められたケースです。
歯根が残っている場合は、歯根の治療(根管治療)をしっかり行えば、歯を保存することが可能です。
「根管治療を何度しても痛みが再発するので、抜歯しましょう。」
保険での根管治療を何度も行ったが再発してしまい、その都度痛みに悩まされていたケースです。
デジタルレントゲンで細部を確認すると、1本見落とされている根管があり、そこから再発していることがわかりました。根管の本数を正しく把握するのは、高解像度のデジタルレントゲンやCTを使用しないと難しいです。
丁寧に前回の詰め物をとり、再根管治療を行ったところ、痛みも腫れも出なくなりました。
「理由がわからない歯痛があるので、抜歯しましょう。」
行きつけの歯科医院でも大学病院でも、歯痛を訴えても原因が特定できなかったケースです。
デジタルレントゲンやCTで細部を確認すると、歯の根に膿が出来ていることが確認できました。
感染根管治療を行ったところ、痛みも腫れもでなくなりました。
「根の先に膿が溜まり骨が溶けているので、抜歯しましょう。」
骨が溶けていると言われて焦る方も多いのですが、感染根管治療の典型的な適応例です。
大きなヒビ割れなどや歯周病がなければ、保存が可能なケースがほとんどです。
※左画像は、治療前のCT写真です。黒い影が、膿が溜まり骨が溶けている箇所です。
抜歯適応のケース
当院で抜歯適応になるケース
残念ながら、技術革新をもってしても歯を保存できないケースがあります。
2016年2月現在、当院で抜歯になるケースは以下の2点のみです。
- 歯根に大きな穴が空いている場合
- 歯周病により、歯根が大きくグラついている場合
- 歯根が完全に縦割れしてしまった場合
2015年の実績では、ご相談の2.3%が抜歯となり、97.7%が抜歯を回避できました。
根管治療専門医の紹介
医療法人社団天城会設立 理事長
橋爪エンドドンティスデンタルオフィス 院長
橋爪 英城
・歯内療法 専門医
・根管治療専門医 専門医
・日本歯科保存学会歯科保存治療専門医認定 専門医登録番号710号
・日本大学松戸歯学部専任講師
・デンツプライシロナ公認インストラクター
当院へのお問合せ
当院へのご相談の80%は、他院で抜歯を勧められた方です。
抜歯の回避を検討している方は、お電話:03-5200-7116で初診の予約をおとりください。