当院の治療成功率

根管治療の失敗と成功

根管治療が難しい原因

根管治療は、歯科治療の分野で最も難しい治療のひとつです。
「神経をとりましょう」という表現で、日本中の色んな歯科医院で行われている治療法ですが、実は失敗も多いです。

では、根管治療が難しい理由は何でしょうか。

難しい無菌治療

実はお口や唾液の中には常に様々な細菌や目に見えない汚れを含んでいます。
根管治療をする際は、それらが根管に進入するのを防ぎ、クリーンかつ無菌状態を保ちながら治療をする必要があります。
もしも細菌が根管内に残ってしまうと、そこから細菌が繁殖して、再治療が必要になってしまいます。

病巣が見えない

根管は、歯の根の部分です。人により歯の根の本数は異なり、またミクロン単位で枝分かれしています。歯科医師は肉眼で確認できないため、特別な顕微鏡や画像診断により病巣を確認します。
再治療が必要になってしまった歯を診てみると、根管を見落としているケースが多くあります。

人によって異なる、さまざまな根管の形状。
根管の形状はさまざま。まずは正しい形状と病巣の把握を行います。

微細で複雑な形状の根管

根管治療では、複雑な形状をした根管を隈なく除菌し、その後すき間なく根管充填します。
除菌する際、汚れを取り残してしまったり、デリケートな根管を傷めてしまったりすると再治療の原因になります。また根管充填の際、すき間が入ってしまうと、やはり再治療の原因になります。

再治療の割合

東京医科歯科大学付属病院の調べで根管治療の再発率(失敗率)を示したグラフです。45~70%の歯で再治療が必要になっていることがわかります。

根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率のグラフ

根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率(2005.9〜2006.12 東京医科歯科大学)

当院の根管治療成功率について

根管治療の再治療率は0%

当院では、根管治療専門医が最新の技術と治療設備・器具を活用して根管治療を行います。また、治療の予後は基本的に1ヵ月後・3ヵ月後・6ヵ月後に経過観察を行っています。

保険診療では、根管治療をやり直すケースが度々ありますが、当院では今まで1件もありません。これは言い直すと、根管治療自体の成功率は100%ともいえます。
※ただし、後に説明する通り、根管治療自体が成功しても病巣が残るケースがあります。

100%の方が半年後に痛みを感じなくなっています

治療後の痛みのなくなりかたは症状により異なりますが、予後に痛みを訴える患者さんの数を割合にすると、治療1ヵ月後は4割、3ヵ月後は3割、6ヵ月後は0人と徐々に減少していきます。

治療当日の痛みの割合グラフ
100%の方が
痛みあり

経過観察後

1ヶ月後痛みが消えた人の割合グラフ
60%の方が
痛みなし

経過観察後

3ヶ月後痛みが消えた人の割合グラフ
80%の方が
痛みなし

経過観察後

半年後痛みが消えた人の割合グラフ
痛みがあった人は
0人

根管治療が成功しても、病巣が残るケース

根管治療が成功し根管内が清潔になり、患者さま自身が痛みを感じなくなった後でも、病巣が骨に残るケースがあります。
その場合は、歯内療法外科という別のアプローチが必要になります。

根管治療だけでは治らない主な原因

歯根膿胞 (しこんのうほう)

病巣の周りを上皮(じょうひ)と呼ばれる膜が包むことで、風船状の膿胞がアゴの骨の内部に残ってしまい、感染源がなくなっても自然治癒しません。多くの場合、自覚症状が起こりません。

歯根肉芽腫 (しこんにくげしゅ)

病巣が線維質のかたまりである肉芽腫になってしまうと、膿胞と同様に自然治癒しません。やはり自覚症状が起こらないので、根管治療後の経過観察でわかります。多くの場合、自覚症状が起こりません。

根尖切除術という治療法

歯の根っこの歯槽骨に小さな穴を開けて、膿のかたまりを取り除き掃除します。その後、細菌で汚れた歯根の先を切除し、詰め物で封鎖します。一般的に、根管内が清潔な状態、つまり根管治療が終わった後に行います。
詳しくは、歯内療法外科をご覧ください。

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